フィリピンの水道水と飲み水の買い方

フィリピンに着いて最初にぶつかる生活の問題は、たいてい水です。蛇口からは普通に水が出るのに、飲んでいいのか誰も教えてくれません。コンビニに行けば銘柄が十種類ほど並び、住宅街には青いボトルが山積みになった小さな店があります。
整理すると難しくありません。飲む水は買う、洗う水は水道水を使う。 この原則に、いくつかのコツが加わるだけです。
フィリピンの水道水を飲まない理由
フィリピンの水道水が必ず汚れているという意味ではありません。都市部では浄水処理を経て供給され、当局が基準を管理しています。問題は浄水場を出たあとです。
- 配管が古い。 老朽化した管からサビや異物が混じることがあり、断水のあとに水を出すと濁った水が出ることも珍しくありません。
- 建物の貯水槽を経由する。 コンドミニアムや寮は、屋上や地下のタンクに水をためてから各部屋に送るのが一般的です。タンクの清掃頻度は建物ごとに違います。
- 地域差が大きい。 同じ都市の中でも区域によって水質が違い、地方ほど差が開きます。
- 体が慣れていない。 水が安全でも、なじみのない微生物の構成だけでお腹をこわす人がいます。
旅行者や短期滞在者にとっては、飲まないほうが標準的なアドバイスです。現地の人でも水道水をそのまま飲む人は多くなく、ほとんどが浄水した水を別に買っています。日本の水道の感覚で考えないことがいちばん大切です。
歯みがきと氷はどうする?
歯みがきは水道水でする人が多く、たいてい問題は起きません。ただ、胃腸が弱い人や到着して最初の1週間は、ミネラルウォーターを使うと安心です。口をすすいで吐き出す程度なので、量もわずかです。
氷は分かれます。モール、チェーン店、中級以上のレストランは、浄水で作った業務用の氷(真ん中に穴のある筒形が多い)を使っていて、ふつうは問題ありません。一方、屋台やごく小さな店の氷は出どころが分かりにくいので、お腹が敏感なら避けたほうが無難です。
シャワーや皿洗いは水道水で大丈夫です。シャワー中に口に入った水を飲み込まないよう気をつける程度で十分です。
ミネラルウォーターの種類と価格の目安
コンビニの冷蔵庫の前に立つと、似た名前ばかりで迷います。ラベルの単語が実際の種類を表しています。
| ラベル表記 | 意味 | 特徴 |
|---|---|---|
| Distilled | 蒸留水 | ミネラルまでほぼ除去。味が淡白です |
| Purified | 精製水 | ろ過・逆浸透処理。いちばん一般的 |
| Mineral | ミネラルウォーター | ミネラルが残っている、または添加された水 |
| Alkaline | アルカリイオン水 | pHを高めた水。値段が高め |
| Spring | 湧き水 | 水源から採水したと表示される水 |
フィリピンでは蒸留水と精製水が主流です。日本でなじみのある天然水タイプは相対的に高くなります。初めて飲んで「味がない」と感じる人は、たいてい蒸留水を選んでいます。物足りなければ Mineral 表記のものを選びましょう。
おおよその価格帯
| 形態 | 売っている場所 | 目安 |
|---|---|---|
| 500mlペットボトル | コンビニ | ₱20〜35 |
| 500mlペットボトル | スーパー・サリサリストア | ₱15〜25 |
| 1L〜1.5L | スーパー | ₱30〜60 |
| 6L取っ手つきボトル | スーパー | ₱80〜130 |
| 5ガロン(約19L)ボトルの詰め替え | ウォーターステーション | ₱30〜60 |
| 5ガロンの新品ボトル(保証金込み) | ウォーターステーション | ₱200〜400 |
⚠️ 上の数字はよく言われるおおよその幅です。 地域・銘柄・店の種類で倍近く変わることがあり、時期によっても変動します。実際の値段は店頭の表示で確認してください。
注目したいのは最後の2行です。コンビニの500mlを1日3本買えば、1か月で2,000ペソを軽く超えますが、ウォーターステーションの詰め替えは19Lで数十ペソです。1か月以上滞在する留学なら、この差はかなり大きくなります。

ウォーターステーションの使い方
フィリピンの住宅街を歩くと、青いボトルが壁のように積まれた小さな店をよく見かけます。看板には「Purified Water Refilling Station」のような文字があります。浄水設備を置いて、ボトルに水を詰めて売る店です。
使い方はシンプルです。
- 最初に一度だけボトルを買う。 5ガロン(約19L)の円筒形が標準です。ボトル代には保証金の性格が含まれていて、返却すると一部が戻る仕組みの店が多くあります。
- 次からは空のボトルを持っていき、水だけ詰めてもらう。 これが詰め替え(リフィル)で、ずっと安くなります。
- 配達も頼める。 ほとんどの店が近所に配達しています。電話やメッセンジャーで住所を伝えると、満タンのボトルを届けて空ボトルを回収してくれます。配達料がかかる店も無料の店もあります。
19Lのボトルは一人で持つには重いです。ウォーターディスペンサー(冷温水機)にのせて使うのが一般的で、コンドミニアムや寮には備え付けのことが多いです。なければ、ボトルに差し込む手動ポンプだけ買う方法もあります。
店を選ぶときのチェックポイント
- 店内が清潔か。 床やボトルの置き方に管理の水準が表れます。
- 口を封してくれるか。 詰め替えのあと、キャップを衛生シールやラップで封してくれる店のほうが安心です。
- 客の回転が早いか。 客が途切れない店は水が長くたまっていません。
- 営業許可や水質検査の証明を掲示しているか。 壁に貼っている店が多くあります。
レストランや学校で
レストランで「water」とだけ言うと、無料の水(service water)が出てくる店が多くあります。たいてい浄水ですが、確実にしたいならボトルの水を注文しましょう。
- "Is this purified?" — これは浄水ですか
- "Bottled water, please." — ボトルの水をください
- "No ice, please." — 氷なしでお願いします
語学学校や寮には、たいてい各階にディスペンサーがあり、自由に汲んで飲めます。それでもタンブラーを一つ持っていくと便利です。毎回コップを探す手間がなく、外で水を買う回数も減ります。
どれくらい飲めばいいか
暑い国なので、汗で失う水分は日本の冬や春よりずっと多くなります。適量は人によって違いますが、実際には尿の色で判断するのが簡単です。色が濃くなってきたら不足のサインです。
冷房の強い教室に長く座っていると喉の渇きを感じにくいのですが、水分が減っていないわけではありません。机に水を置いて少しずつ飲む習慣が、頭痛や疲れを減らすのに役立ちます。
汗を大量にかいた日は、水だけでは足りないこともあります。コンビニで売っているスポーツドリンクや経口補水液(ORS)系の商品を一つ覚えておくと安心です。お腹をこわしたときの対処はフィリピンの水あたり — 予防と対処にまとめています。
よくある質問
日本から浄水器やフィルターを持っていくべきですか?
ほとんどの場合、不要です。ウォーターステーションもミネラルウォーターも安く、どこにでもあります。登山や離島の奥地へ行く予定なら携帯用の浄水ボトルが役立ちますが、都市に滞在するなら荷物になるだけです。
コーヒーや料理に使う水は?
沸かして使うなら水道水でも大きな問題はないと考える人が多くいます。ただボトルの水がとても安いので、飲む・料理する水はボトル、洗う水は水道水と単純に分けたほうが迷いません。
ペットボトルのキャップがすでに開いていたら?
まれにあります。封が切れていない未開封のボトル以外は受け取らないでください。 キャップを回したときにパキッと切れる感触がなければ、交換を頼みましょう。
ホテルの無料の水は毎日もらえますか?
ホテルの等級によります。1日2本補充してくれるところもあれば、有料のミニバーしかないところもあります。チェックインのときに聞くのが確実です。
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水は小さなことに見えますが、長期滞在では毎日くり返す出費であり習慣です。最初の1週間に近所のウォーターステーションを一軒とディスペンサーを一つ決めておけば、その後はほとんど気にする必要がなくなります。到着直後に戸惑いやすい買い物のことはフィリピンのコンビニの使い方にも同じようにまとめました。健康と安全の記事は健康・安全カテゴリーにあります。
※価格や設備の状況は地域・時期によって変わります。現地の店頭表示や滞在先の案内で確認してください。
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